鞆の浦埋立・架橋計画の中止を求める要望書


2008年1月23日


福山市長 羽田 皓 殿

日本歴史学協会       会長  木畑 洋一

同 文化財保護特別委委員会 委員長 石山 久男


 広島県福山市鞆地区道路港湾整備計画にもとづく鞆の浦埋立・架橋計画については、当協会ならびに当協会に加盟する多数の歴史学会がかねてより強い関心をいだき、これまでもたびたびこれに関する要望書を提出してきたところであります。 ところが福山市および広島県当局におかれては、いよいよ早期着工にむけて動き出しているやに聞いております。
 当協会がこの問題を重視してきたゆえんは、鞆の浦地区に、江戸時代の港湾施設と町並が古い形をとどめたまま一体となって大規模に現存し活用され続けており、きわめて貴重な歴史的遺産となっているとともに、それが文化的価値のきわめて高い景観をつくりだしていることにあります。また、海中にも多数の遺跡・遺物が残存していることが予想されますが、その調査も十分に行われていません。
 もしかりに鞆地区の埋立・架橋計画が実行されるならば、これらの歴史的遺産と景観がとりかえしのつかない形で破壊されることになります。 ユネスコ世界遺産委員会のもとにある国際記念物遺跡会議も、2005年の第15回総会において架橋計画の放棄を求める決議を採択しましたが、そのことが示すように、鞆の浦の歴史的・文化的価値は国際的にも認知され、埋立・架橋計画に対しては国際的な強い批判がおこっています。
 また、埋立・架橋計画推進の理由とされている鞆地区のかかえる諸問題については、それを解決する他の方法も提案されているところです。
 このような状況を勘案し、当協会として、鞆の浦埋立・架橋計画の実施を中止し、文化財保護と両立する生活環境改善の計画をあらためて策定されるよう強く要望いたします。

以上